昇進に年功序列の要素が色濃く残っている日系大手生命保険。そんな旧態依然とした人事制度に、変化が表れ始めている。今後、課長昇進年齢が、10歳近く若返る会社も出てきそうだ。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#7では、日系大手生命保険4社の内実に迫った。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
明治安田が24年4月から
新人事制度導入の方針
日系大手4社といわれる日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険、住友生命保険。各社は1000万件超の契約を保有しており、契約者から支払われる保険料は、それぞれ年間2兆円を軽く超えている。
そんな安定した経営基盤があるからか、4社の人事制度には、昔ながらの年功序列が色濃く残っている。加えて、新卒一括採用によって人材を確保する考え方が強く、他業界では当たり前に行われている中途採用は、ようやくこの5年で本腰を入れ始めたばかり。そのため、各社では入社年次による人材管理が行われている。
ところが、である。明治安田が、2024年4月から年功序列の要素を完全に排除した新制度を導入する方針を決定。現在、労働組合と制度の詳細を交渉中であることが分かった。
次ページで、明治安田の新制度の詳細と、各社のキャリアルートや年収について、詳しく見ていこう。