第8波を超える第9波に備えて
医療費の変更点を確認しておこう
今後、オミクロン株と病原性が大きく異なる変異株が出現し、再び、重症化する人が急増するような事態が起きない限り、ゴールデンウイーク明けの5月8日からCOVID-19は5類感染症に見直される。
同時に、療養期間の考え方も変わる。現在、有症状者は、発症後7日間を経過するまでは法律に基づく外出自粛が要請されている。だが、5月8日以降は、発症後5日間の外出を控えることを推奨するにとどまり、個人の判断に委ねられる。
隔離のために民間ホテルなどを活用した宿泊療養施設も、原則的に終了する(高齢者や妊婦への対応は、各自治体の判断で9月末まで継続)。コロナ禍で行われていた様々な特例措置には終止符が打たれる。
そして、ここで見てきたように、公費による手厚い医療費の補助はなくなる。9月末までは、一部に公費負担が継続されるが、原則的には、年齢や所得に応じた負担が求められるようになる。
そして、一足先に、社会経済はコロナ後を見据えて動き出している。JTBの「2023年ゴールデンウィーク(4月25日~5月5日)の旅行動向」によると、国内旅行者は2450万人の予定で、コロナ前の2019年と同水準まで戻っている。
とはいえ、COVID-19は完全に収束したわけではない。4月25日現在、COVID-19の新規感染者数は1万2475人で、重症者数は59人。新規感染者は緩やかに増加傾向にあり、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚生労働省にコロナ対策を助言する専門家有志)は、2022年12月~2023年1月の第8波を超える第9波が起こる可能性があるという見解を示している。
ウイルスが存在している以上、人流が多くなれば、感染も拡大していくことは想像に難くない。COVID-19に対する国の対策のフェーズが変わっていくなかで、個人はどのように対応すればいいのか。万一、感染したときに慌てないで済むように、医療費に関する変更点についても覚えておきたい。