うそを本当っぽく語れる超能弁なChatGPT
利用時には情報を精査する姿勢が必須
ChatGPTは簡単に言うと、人間の問いかけに答えてくれるAIだ。料理のレシピや世界情勢の話など、質問であればよろずなんでも答えてくれる。また、テキストベースであればなんでも作れるので、俳句やラップなんかの生成もお手の物である。
利用は基本無料で(有料版もある)、OpenAIのIDの作成が必要になるが、例によってGoogleアカウントか何かと連携して登録すれば一瞬で済む。なお3月に登場、実装されたGPT-4は有料で、それまでのバージョン(GPT-3およびGPT-3.5)とは比べ物にならないほど高性能らしく、界隈では「小学生と大学生」といったたとえで表現されるのを目にした。
筆者が試したのは無料の方だが、なるほどこれは面白い。いくつか質問してみたがどれもそれっぽい答えが瞬時に返ってくる。以前のAIは、先方がちゃんと理解できるように、質問文の文法や言語の正確性、およびそれを伝える滑舌に最新の注意を払いながら質問していたものだが、ChatGPTに対しては質問を雑に投げるだけで、ちゃんとしたボールが返ってくる。
ダイヤモンド・オンラインの担当編集さんが「昔のテレビ出演者はなぜ早口だったか?」と質問を投げたところ、本人いわく「もう自分で考えなくてもいい」と思えるほどの回答が返ってきて、筆者もその回答を見せてもらったが、それはそれは素晴らしかった。興味があればぜひ同様の質問をかのAIにぶつけて、回答をご覧頂きたい。
利用者が爆発的に急増し、この技術革新に世界中が沸き、国家が動き、ビジネスとしても、ものすごい可能性を感じさせる。しかし、いくつか問題点も、比較的些末(さまつ)と考えられるものから終末を予感させる深刻なものまで、指摘されている。
その中のひとつに「ChatGPTが伝える内容は必ずしも正確ではない」がある。つまり、たまにうそ(間違った情報)が交じるのである。しかし流暢な人間然とした語り口調がウリのChatGPTであり、そのうそを実に真実らしく話すものだから、警戒心を持たない人ならその誤情報をコロッと信じてしまう。
人間にもそういう能弁スキルを持つ人がいるが、ChatGPTはそれを煮詰めて特化したような存在である。本当に、質問者の知識欲をいいあんばいに刺激し、脳のシワが1本増えた快感を抱かせるような知的な答えを返してくれる。その知的な回答がうそだったりするから、タチが悪い。