アクセル役の交感神経とブレーキ役の副交感神経からなる自律神経は、交感神経が優位になると体は活動・緊張状態に。逆に、副交感神経が優位になると休息・リラックス状態になります。つまり、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことによって、心と体の健康が保たれているのです

ストレスで起こる
「自律神経失調症」

●検査をしても原因が見つからない

 内臓の動きや血液の流れをはじめ、生命を維持するために欠かせない働きを制御している自律神経。先にお伝えした通り、私たちの意思とは関係なく働いていますが、不規則な生活やホルモンの変化、肉体的・精神的ストレスなどによって、交感神経と副交感神経のバランスが乱れてしまいます

 例えば、人間関係や仕事での悩み、不安、プレッシャーなどでストレスを受けると、交感神経が優位になります。すると、血管が収縮して血流が滞り、血液がドロドロの状態に。体には、頭痛やめまい、肩こり、腰痛、倦怠感、冷え、腸の働きの低下による便秘や下痢、肌荒れといった不調が表れます。また、ちょっとしたことにイラつく、落ち込む、やる気が出ない、記憶力や集中力が低下するなど、メンタル面にも影響が出てきます。

 自律神経の乱れによって起きる様々な症状は、自律神経失調症と呼ばれています。症状から疑われる病気に関する検査をしても、異常が見つからないのも特徴の1つ。改善には、ストレスの緩和をはじめ、睡眠不足や運動不足の解消など、ライフスタイルを見直すことがとても大切です。