諦めて、既存のクラウド型のコミュニケーションツールを工夫して使うことにしようとした2017年頃、とうとう出合うことができました。

 それは、個人のSNSとして日々愛用していたFacebookのビジネス版「Workplace from meta」(以降はWorkplace)でした。アメリカでは「社員の関係性を深めるためのエンゲージメントツール」として発売されていました。業務のコミュニケーションをすることを目的とはしていません。しかし、使えば使うほど、私がイメージしていた「チーム型ホウレンソウ」に適したツールだったのです。

Facebookのノウハウを生かした
「ホウレンソウ」ツール

 私がFacebookのビジネス版「Workplace」に魅力を感じた理由は、単に「ホウレンソウ」を実現するだけでなく「Pro.メール」でこだわった「ほかのチームの会話もなんとなく分かる」からでした。これは、特別に付加した機能というよりは、Facebookという、友達との交流を深めることを目的としたツールの長年のノウハウが実現してくれるもので、ほかのチャットツールやSNSにはなかったものです。

 Workplaceとの出合いにより、ようやくPro.メールを卒業し、弊社の「ホウレンソウ」ツールは、Workplaceに置き換わりました。

 Workplaceを使った、弊社のホウレンソウをご紹介しましょう。

【報告】
 業務のプロジェクトごとにグループを作成し、参加メンバーは、すべてのホウレンソウをそこで行います。リーダーからの指示も、同僚からの依頼も、また、それに対する進捗状況や報告も、Workplaceで実施します。そして、そのやりとりの様子は、ほかのメンバーも読むことができます。

【連絡】
 業務プロジェクトとは別に、社員同士の連絡用プロジェクトや、勤怠連絡、社内通達などのグループがあります。社内ルールでは、自分がタグ付けされた投稿、あるいは全員宛のプロジェクトの投稿は、必ずアクション (「いいね」等)をすることになっています。そして、そのやりとりの様子は、ほかのメンバーも読むことができます。

【相談】
 困ったことや、相談ごともWorkplaceを使います。Aさんがリーダーに相談した内容に対して、Bさんが補足をしたり、別のリーダーがフォローをしたりすることもよくあります。なお、ほかの人に知られたくない相談は、Workplaceのチャットで直接連絡するようにしています。