テレワークで「ホウレンソウ」を実施するためには、これまで口頭で実施されてきたことをデジタル化する必要があります。デジタル化されれば、チーム全体での共有が容易になります。「部下への指示は、目の前で口頭でしたほうが早くて、伝わりやすい」という人も多いかもしれませんが、それを乗り越えることで、業務の効率が大きく変わり、会社全体の生産性が向上します。

 テレワークのためだけではなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、取り組んでいただければと思います。

チーム型ホウレンソウツールで
情報の取りこぼしを防ぐ

 私は、適切なテレワークを実施するためには「ホウレンソウのデジタル化」が重要であることを15年以上前から認識していました。「テレワークでも、チームでのコミュニケーションができるITツールが必要」と探したのですが、そもそもテレワーク自体が知られていない時代に、そんなツールはありません。

 当時は、ネットでのコミュニケーションの基本はメールでした。そして、複数のメンバーで情報を共有する方法として「メーリングリスト」がよく利用されていました。メーリングリストは、特定の宛先にメールを送ると、登録されている全メンバーに届くという仕組みです。このため、届くメールの数が多くなり、自分宛のメールを見落としたり、話の流れが見えなくなったりと、私がイメージしているような「チームのホウレンソウ」ツールとしては不十分でした。

 そこで、仕方なく自社で開発することにしました。そしてできたのが「Pro.メール」です。このシステムではメールをベースにし、メーリングリストの問題点を解決することができました。その際こだわったのは、次の4つです。

・プロジェクトごとに管理ができる
・自分宛のメールを見落とさない
・話題ごとにやりとりの経緯が見える(スレッド)
・直接関連していない業務や別チームの様子がなんとなく分かる

 Pro.メールは、弊社のテレワークでの業務効率を大幅に向上させてくれました。社員全員がテレワークでも、チーム全体で「ホウレンソウ」を共有できたからです。

 しかし、世間でクラウドサービスが普及するなか、愛着はあるものの、いつまでもローカルにデータを置くメールツールを使い続けることはできません。

 数年前からPro.メールに代わるコミュニケーションツールを探し始めました。しかし、なかなか、先の4つのこだわりに答えてくれるツールに出合うことができませんでした。