「最初から国連職員になりたかったわけではありません」と語る荒井さん
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 それを日本人として仕事を通じて追求するには国際機関で働くのが一番ふさわしいと考えたので、結果的に国際機関に属して働いています。ですから、最初から国連職員になりたかったわけではありません。

 大学では法学部の学生だったので、法律の道に進む選択肢もありましたが、自分の情熱と使命を果たすには法律だけではなく、経済学の知識も必要だと考えて大学院は国際経済を学び、中南米の政治経済も副専攻として学びました。ワシントンD.C.を学びの場に選んだのは、中南米に関連する諸機関のプレゼンスが高いこと、そして、実践的な教育を受けられる大学院に進学したかったからです。そして、大学院2年目に中南米・カリブ諸国の開発を促進する多国間開発金融機関である米州開発銀行にてリサーチアシスタントとしてインターンをし、卒業後は世界銀行の教育セクターで仕事をしていました。

 数年後にILOへ転身したのは、本部スイスと途上国事務所の両方で職務経験を積めるヤングプロフェショナル制度に合格したからです。児童労働撲滅国際プログラムに配属されたのは、非常に喜ばしいことでした。

国際連合、世界銀行…
世界機関で働くにはどうすればいいか?

石黒 同じ大学院でもビジネススクールでは1、2年の間にサマーインターンがあり、ほぼ全員が経験しますが、大学院に通いながら働くのは本当に稀ですよね。世銀などで働く人は、インターンを経験すると採用につながるという定石みたいなルートがあるんですか?

荒井 大学院2年でのインターンは、あくまでもパートタイムのリサーチアシスタントという形で働いていましたが、大学院修了時には、そのまま同機関に就職する話も出ました。確かにインターンを通じて、ネットワークをつくるのは重要だと思います。また、1年と2年の間の夏にメキシコの教育省にひと夏リサーチャーとして勤務をしました。研究のみならず、実際に数ヵ月間メキシコに住むことで、途上国問題を肌で感じ、様々な学びがあったと思います。その経験が生きて、世銀での仕事につながった部分はありますね。

 国際機関にどうやって入るか、良く聞かれるのですが、大きく分けると、以下のエントリー方法があると思われます。まずは、特定ポストの空席に一般応募する方法です。日本でいう中途採用にあたるかと思われますが、民間などの様々な分野で経験を積んで、専門性を持った上でミッドキャリア以上のレベルに入るのも1つでしょう。最近では、各機関がインターネット上に空席公告を定期的に掲載してます。

 2つ目は、選抜試験を経て入る方法です。とても倍率が高く、厳しいですが、若手職員の採用促進を目的にしたヤングプロフェッショナル制度がありますので、それをパスする必要があります。

 3つ目は、短期契約やコンサルタント、技術援助プロジェクトのスタッフとして働き始め、その後、業績を積んだ上で、空席に応募する方法です。