「『ときがわブルワリー』という著名な製造所が協力して開発されたクラフトコーラです。埼玉県の特産品で日本最古のゆずと呼ばれる『桂木ゆず』をベースに、桂木ゆずの一部をときがわ町の特産品『福来(ふくれ)みかん』に変えることで、角の取れたまろやかな味わいのクラフトコーラを作り上げていました。地域活性化につながるだけでなく、未成年を含む学生が進めたという点で素晴らしい事例だと思います」
また、鹿児島県喜界島で、野生の木から実っては落ちていた「島みかん」を使った「TOBA TOBA COLA」のように、耕作放棄地やフードロスといった問題の新しい解決策としても、注目を集めている。
「富山県の喜八食品さんは、南砺市の特産品である『かぶらずし』の本漬(ほんづけ)発酵液を使った『喜八コーラ』を、今年4月に発売しました。ちょっと意外性のある食材でもクラフトコーラは柔軟に受け止めてくれて、とてもおいしく飲めるんです。クラフトコーラの懐の深さは、地域を盛り上げるアイコンとして扱いやすい理由でもありますね」
1人ないし2人でクラフトコーラを造っているメーカーも多く、最近は一日一商品のペースで新しいクラフトコーラが登場しているそうだ。
自分の好みに合う
クラフトコーラの見つけ方
先述した「伊良コーラ」や「ともコーラ」から販売されているクラフトコーラを筆頭に、多くはECサイトで購入が可能だ。ほとんどのクラフトコーラはシロップ状の原液を瓶に詰めた形で販売されている。
「クラフトコーラの製造ロットは少ない場合がほとんどなので、少量で販売可能な瓶シロップが今の主流ですね。濃縮されている分、賞味期限も比較的長いものが多いです」
自分に合ったクラフトコーラを探す際は、判断材料の一つとして「スパイシーさ」「フルーティーさ」のどちらが好みかを考えるといいかもしれない。
「クラフトコーラはスパイスが入っているものがほとんどなので、普段シナモンや八角の香りが苦手だと感じる方はフルーティーさをウリにしているものがおすすめです。逆にスパイスの効いた食べ物が好きな方は、フルーティーなものでは物足りないと感じるかもしれません」
ローカルなクラフトコーラも数多く販売されているので、産地に着目して選ぶのも楽しい、と空水氏は語る。
「全国各地でクラフトコーラは生産されているので、自分が生まれ育った町やゆかりのある地域を調べてみると、面白いクラフトコーラが見つかるかもしれません」
購入したクラフトコーラを家庭で飲む場合、ベースとなるのは炭酸水で割る飲み方だ。製品によるが、3倍か4倍の炭酸水で希釈するパターンが多いという。購入サイトで「牛乳で割る」「豆乳で割る」といったオススメの飲み方が紹介されている場合もある。
「牛乳で割るとチャイに近い風味になりますね。これから暑くなると、濃いめに割ったクラフトコーラをいったん凍らせて、シャーベット状にして食べるのもおすすめです。そのシャーベットにクラフトコーラを注げば、氷で薄まらずにおいしいコーラを楽しめますよ。また、アイスクリームにクラフトコーラを少し足してみるのも、いつもと違う味わいが楽しめるでしょう」
また、クラフトコーラの核になるスパイスをまとめたクラフトコーラのキットも販売されているそうだ。キットの他に砂糖・かんきつ類や水を購入し、鍋に入れて煮詰めた後、冷ますだけで簡単にシロップができるという。
「キットは複数回に分けて作るものが多いので、最初にレモンを使ったのであればライムやグレープフルーツに変えてみたり、グラニュー糖で作ったのであれば黒糖やきび砂糖を試してみたり、アレンジの方法は無限大に存在します。自分の舌に合うクラフトコーラを探求するのも、楽しいですよ」