たとえば、「周りの人達やお客様に恵まれたこともあり、この数年は連続して一定以上の実績を残すことができました。上場企業でしたから待遇も恵まれていたと思います」と、実績や処遇の振り返りをした後、

「ただ、先ほど申した通り、今までの融資営業の経験を活かして、今後伸びが期待されるM&A業務に就きたいという決心は固く、1年前から計画を立てて転職の準備をしてきました。退職を決意したことに全く後悔はありません」と、前向きで先を見据えた自身の計画に基づく退職であることを説明するようにしてください。

○たとえばこういう人の場合
39歳男性、大卒。新卒入社した1社に勤務中。現在は本社の経営企画部に配属。
今回は2社目の転職で、同業種の営業マネジャー職への応募。

【NG!】「40歳で子会社に転籍出向になる可能性が高く、そうなるとこの待遇も続かないため、そろそろ行く末を見極めないといけない時期かと思いまして」

 現実的な話であっても、ネガティブな退職理由はご法度です。

【OK!】「確かに、部署が変わる前の約3年間は営業成績がすこぶる良かったですし、当社は東証プライム上場企業ですので、待遇面も良いと思います。特に今、転職活動をする中で、これを実感させられます。周りからももったいないと散々言われています。

 ただ、私はやはり○○の営業現場に出てナンボの人間です。常にお客様と接点を持って、反応を直に感じたいのです。経営企画部への異動には正直、かなり違和感を抱いております。

 今回、御社で自ら営業数字を背負い、課の数字も管理する営業マネジャー職に応募していますが、こちらであれば今までの約16年間の営業経験が最大限に活かせると考え、応募した次第です。○○の営業の現場に戻るのが私の最大の目的ですので、給与が下がろうと休みが減ろうと一向にかまいません。覚悟しています」

 このように、「上司との折り合いが悪かった」、「会社のやり方に不満があった」等の単純でネガティブな理由で退職するのではないことを、きちんと証明する必要があります。