「『やさしい小粒』は、従来の果汁グミよりもやわらかく、サイズも小さめに作っています。かむ力が未熟なお子さまやご高齢者でも食べやすいグミです。一方の『弾力プラス』は、従来の果汁グミより硬く、かみごたえがあります」

 明治では、グミのかみごたえと摂取後に想起される心理状態(感性)の関係を確認し、日本感性工学会大会で発表もしている。この研究結果によると、かみごたえが弱いグミは「リラックス」、かみごたえが中程度のグミは「やる気が出る」、そしてかみごたえが中程度~強いグミは「覚醒感」を想起しやすいそうだ。

 まさに、「やさしい小粒」は親子のリラックスタイムに、「弾力プラス」はビジネスパーソンが集中したい時に食べたくなるグミと言えよう。

「かみごたえチャート」で選べる
好みや気分に合うグミ

 吉川氏いわく、「グミは、やわらかいグミが好きな人と、硬いグミが好きな人に、はっきり二分されやすい」とのこと。硬すぎずやわらかすぎない弾力の「果汁グミ」は、ハードグミが好きな人たちに頻繁に手に取ってもらえる商品ではなかったという。

「今回の狙いとしては、多くの人が幼い頃に食べたことのある『果汁グミ』を、もう一度味わってもらいたいという思いもありました。年齢を重ねるとやわらかいグミより硬めのグミを好む人が増えるのですが、『あの果汁グミのハードタイプ』と思ってもらえれば、ハードグミが好きな人たちにも届くのでは、と思ったのです」

 その読み通り、「やさしい小粒」と「弾力プラス」の売れ行きは好調で、当初の売上目標の1.5倍ほどを記録しているそうだ。

「グミは、形、色、食感を自由に調整しやすいお菓子です。『こういう人向けのグミを作りたい』『こういうシーンで食べてもらえるグミってどういうものだろう』と、お客さま、そして召し上がるシーンを起点に、最適な商品を考えています。例えば、もうひと頑張りしたい時を応援するグミとして、ハード食感かつ爽快感がある『BOOST BITES』を発売しました。カフェインやローヤルゼリーも入れ、味もエナジードリンク味にしています。グミの選び方として『シーンで選ぶ』という選択肢をご提供し、日常のさまざまな場面に寄り添っていきたいですね」

 シーンや好みに合ったグミ選びの際、“食感”の目安となるのが、パッケージに記載されている「かみごたえチャート」だ。明治のグミには全商品にこのチャートがついており、“1”から“5”まで、数字が大きくなるにつれて食感がハードになっていることを示している。

写真:パッケージに記載されている「かみごたえチャート」パッケージに記載されている「かみごたえチャート」