就活において、企業側の情報提供意識と、学生が知ることができた情報には、毎年大きなギャップがあります。企業は「しっかりと情報提供した(開示した)」と考えていても、学生は「知ることができた」とは捉えていないということです。
当研究所が調査・発表している『就職白書2023』によると、「具体的な仕事内容」に関して、「情報提供した」と回答した企業が87.3%だったのに対し、「知ることができた」と答えた学生は45.8%。「社内の人間関係」は、59.6%の企業が「情報提供」したと答えていますが、「知ることができた」という学生は27.6%でした。また、「社風・企業文化」も、79.3%の企業が提供したと回答している一方、「知ることができた」という学生は36.5%に留まっています。
ここから見えるのは、学生にとって、本当に知りたい情報を集めることの難しさです。その点においても、インターンシップは、よりリアルな仕事内容や社内の雰囲気に触れ、知りたい情報を自ら採りに行ける機会だと考えられるでしょう。
インターンシップのプログラム内容や期間は、企業によってさまざまです。興味のある業界や企業が決まっていれば、参加可能期間内で探すのも一つです。まだ業界や企業が絞られていなかったり、あえて幅広く見て比較検討していきたかったりという場合は、プログラム内容を見て絞るのもいいでしょう。
「職場体験をしっかり積みたい」「グループワークで思考力を高めたい」「企業理念を理解できるような時間にしたい」など、目的に応じて、業界研究や職種研究に役立てるといいのではないでしょうか。
夏休みを活用したインターンシップ参加へ
選考準備も早々にスタート
では、インターンシップに参加するにあたり、学生の皆さんはいつからどのように動いているのでしょう。前述の24年卒向け調査では、インターンシップの参加時期は、卒業年次前年の8月が63.1%と最も高い結果になりました。次いで翌9月が52.1%となっており、夏季の長期休暇を活用してインターンシップに参加する学生の多さがうかがえます。
ただ、インターンシップは企業が受け入れられる人数に限りがあるため、選考を行う企業も多くあります。リクルートが実施した、インターンシップを行った企業向けのアンケート調査では、インターンシップの選考として「面接」を行っている企業は7割を超え、5割の企業が「エントリーシートの提出」を求めていることがわかりました。