なお、仕事をひとつずつ処理していくにあたっては、タスクを視覚化する必要があります。付箋にそれぞれのタスクを書き出し、「重要で緊急なタスク」→「重要ではないが緊急なタスク」→「緊急ではないが重要なタスク」→「重要でも緊急でもないタスク」の順に処理していきます。タスクを処理したら付箋をはがして捨てる、もしくは線で消していきます。一日が終わったところで、どこまで消化できたかをチェックしましょう。

音楽を聴きながらの仕事は
生産性が落ちる

「同時並行」ということでは、音楽を聴きながら仕事をする人がいます。以前からイヤホン着用でパソコンのモニターに向かう人の姿を見かけますが、昨今は在宅勤務が普及したことで、勤務中でも誰に気兼ねすることなくラジオや音楽を聴くことができるようになりました。

 なんとなくアップテンポの曲を流すと気分も上がり、作業がはかどりそうにも思えますが、実際にはどうなのでしょうか。

 これに関して、『アトランティック(The Atlantic)』というアメリカの雑誌に、ジャーナリストのオルガ・カザンがレポートした記事が掲載されています。

 記事中で紹介されているのは、被験者を「好きなアップテンポの曲を聴くグループ」「好きなスローテンポの曲」「音楽なしのグループ」に分け、複雑な作業に取り組んでもらうという実験です。

 その結果、最もパフォーマンスがよかったのは「音楽なしのグループ」で、最悪だったのは「好きなアップテンポの曲を聴くグループ」だったというのです。つまり、生産性向上に寄与する音楽は「ない」ということです。

 実験では、音楽が単調な作業の生産性向上をもたらすことが明らかになっていますし、音楽が気分転換に効果的なのは誰もが体感している事実でしょう。だから、音楽を聴くならデータ入力などをするとき、あるいは休憩時間に限定するのがベストです。