【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。
20代後半まで引きずる子ども時代の思い
20代後半のEさんという女性が、子どものころを振り返って言った言葉が非常に印象的でした。
「私の母の自慢は、私の幼稚園の弁当で手を抜いたことはなく、授業参観や学校行事にも皆出席したこと。
PTAや子ども会の役員を積極的にやったこと。
夏休みの自由研究や読書感想文でよく賞を取らせたこと。
もちろん、母は母なりにがんばってくれとこともわかりますし、感謝する気持ちもあります。
もっと話を聞いて欲しかった
でも、私はそうしたことより、もっと話を聞いて欲しかったし、あんなに叱らないでニコニコしていて欲しかったです。
とにかく、ダメ出しされたり叱られたりすることが多く、ほめられた記憶がありません。
テストで100点を取っても喜んでもらえなかったし、90点だと叱られました。
初めてリレーの選手に選ばれたとき、私はうれしくて帰宅してすぐ母に報告しました。
でも、一緒に喜んでくれるわけでもなく『あんたはそんなに速くないんだからまぐれだよ。みんなの足を引っ張らないようにちゃんと練習しなきゃダメだよ』と言われただけでした。
私は、『なんで喜んでくれないんだろう。お母さんは私のことが好きではないのかな』と感じてしまいました。その思いは今もあります」
立派な母親にならなければという思い
私はこの話を聞いて、切ない気持ちになりました。
Eさんのお母さんにも子どもへの愛情はたくさんあったと思うのですが、それが空回りしてしまったようです。
もしかしたら、お母さんは立派な母親にならなければという思いが強すぎたのかもしれません。
私は読者の皆さんには、立派な母親・父親を目指すよりも、子どもの話を聞いてニコニコしている幸せな母親・父親になってほしいと思います。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)