たとえば、上司の小言を聞くふりをしつつ、「今日は晴れだな」とか「夕飯どうしようかな」と考える。お腹の呼吸を「吸う」を一、「吐く」を二と数えて、どこまで数えられるかチャレンジする――。

 なるべく刺激に触れない、反応しない“ゲーム”だと思ってください。

 ケンカ中の家族と顔をあわせても、(何か見えている)とだけ意識して、素通りします(口に出さないでくださいね)。

 とにかく、意識して「意識を向けない」(視界に入れない)ようにするのです。

(2)反応パターンを決めておく

 もう一つは、反応のしかたをパターン化してしまう(いくつかの言葉に限定する)ことです。

 上司の小言や苦手なひとの話が始まったら、(聞こえている)(言っていることはわかる)というパターン化された言葉で処理します。

 相手に返す言葉も、パターン化します。「わかります」とだけ返す。

 タイミングを見て、「ではどうすればよいでしょうか?」「じゃ、こうしますね」と返す。「聞こえている」「わかります」「どうすれば?」「こうします」。それ以外の言葉は使いません(考えない)。

 世の中、いろんなひとがいますよね。いちいち反応していたら、身が持ちません。ここはあえて単純に「パターンでかわす」テクニックを磨きましょう。

 あらかじめ使う言葉を決めておくのです。

〈ステップ4〉結生した反応を洗い流す──結生させない

 それでも反応してしまった場合にそなえて、「引きずらない」(結生させない)工夫もしましょう。

(1)〈と言葉〉で止める

 小説や演劇の脚本で「と、主人公はつぶやいた」という言葉を見たことがありますよね。いわゆる「と書き」。心の動きを客観視するための言葉です。

 自分の反応についても、「と思った」「と感じた」と言葉をくっつけて、最初の反応を客観化しましょう。さながら本の中の登場人物であるかのように、自分の反応を外からながめるのです。