そのために実践するのが、「自分中継」です。さながらライブ中継するアナウンサーのように、自分の日常を観察して言葉にするのです。

「今、目覚ましが鳴りました。かなり眠いです。二度寝します」

「今、通勤中です。時間が気になっています」

「今、私は遅刻しつつあります」「ほぼ遅刻確定です」

「今、私は叱られています」「肩身が狭いのを感じています」

「今、私は落ち込んでいます」

 こうして自分の姿を観察(ライブ中継)します。落ち込まずにすむ気がしてこないでしょうか。

(3)ひとに気づいてもらう

 こうした工夫は、ひとに頼むこともできます。

 友だちや家族に、「私の姿に〈と言葉〉をつけてね」と頼むのです。

 あなたがネガティブ反応に入って、愚痴や妄想を始めたら、周囲のひとは、「と思っている」「と妄想している」とつっこんであげます(仲のよいひとに頼んでください。「あんたに言われたくない」と反応しては無意味です)。

〈と言葉〉は、「そうなんだよねえ」と自分も納得できる、すなおな言葉が理想です。シンプルに行きましょう。

 ひとはつい、期待や思い込みや怒りなどの反応に乗っ取られてしまいます。

 すぐさま悩みのドツボにハマってしまうのです。

 そうした展開を避けるために、徹底して「自分を客観的に見る」工夫をするのです。

 結果的に、心に余裕が生まれます。そこから「では、どうすればいいかな?」「どう進めていこうかな?」と考えていくのです。

 悩みは、アタマが作り出した反応です。その反応は、隣にいるひとには見えません。つまり幻です。