【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。

【叱られる!】子どもが30年たっても思い出す大人の対応とは?Photo: Adobe Stock

「叱られる」と思ったら、まさかの言葉に救われた

いま40代のIさんは、小学生の頃ピアノ教室に通っていたそうです。

ピアノは好きだったのですが、ある日まったくやる気が出なくて、いい加減に弾いていました。
すると、ピアノの先生が「気の乗らない日もあるよね。先生だってあるもの。そういうとき無理にやると嫌いになるよね」と言いました。
そして、先生がお菓子を出してくれて、一緒に食べながら楽しくおしゃべりをして帰ってきました。
それ以来、Iさんはその先生のことが大好きになって、通うのがますます楽しみになりました。
Iさんは当時を振り返って、「もしあのとき先生に叱られていたら、ピアノが嫌いになっていたかもしれません」と言っていました。

子どもは大人の気まぐれに翻弄されることが多い

私はこの話を聞いて、「なんていい話なんだ」と思いました。

やはり、共感をもって対応してくれた人へは、感謝と信頼が生まれ、人間関係が非常によくなるのです。
これは大人同士でもいえることですが、子どもと大人の関係においては特に当てはまると思います。というのも、子どもにとって信頼できる大人というのは、「自分のことをわかってくれる人」、もっとはっきりいうと「わかって許してくれる人」だからです。

大人と比べて子どもは弱い存在であり、日頃から大人の気まぐれに翻弄されることが多いのです。大人の顔色を伺ったり、自分が嫌なことがあっても我慢したりしなければならないことがよくあります。

ですから、自分の気持ちに共感して寄り添ってくれる大人は、子どもにとって非常に貴重な存在です。そういう大人なら、子どもは安心して心を開くことができ、大きな信頼を寄せるようになるのです。

◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)