「新規事業を成功させる基本の型」とは
これらの理由によって、私が社内起業に参画するときには、第4図のように「本業の汚染を回避する3つの視点」と、「新規事業を再現性をもって成功させる基本の型」という2つの柱をノウハウの両輪として、これをベースに事業それぞれの独自要素と照らし合わせながら、新規事業を進めている。
図の上側、企業が抱える「構造的な失敗要因」から脱する策は3つあり、
(1)3つの切り離し
(2)2つの機能
(3)1人の戦士
という3つのポイントがある。そして図の下側、「新規事業を再現性をもって成功させる基本の型」は、
(1)マーケットアウトの型(どういう事業をつくれば成功するか)
(2)仮説・実証・参入の型(どういう手順でやれば成功するか)
(3)新規事業のプロと対象市場のプロの型(どういうメンバーでやれば成功するか)
という3つだ。
守屋 実 著
本書では、4章以降で、新規事業を生み出すための実務をこれら「3つの視点」と「3つの型」に沿って述べていくが、その前に2章と3章において、これらのノウハウの土台となる考え方やポイントについて、私がミスミとエムアウトの計2社で20年にわたって学んだ「新規事業の原理原則」を述べたいと思う。
その軌跡は、はっきりいって成功よりも失敗のほうがはるかに多いのだが、新規事業の成功パターンはいろいろだが、失敗には共通要因が多く、パターンはだいたい決まっている。
したがって、私の失敗の数々を教訓として、皆さんには自社に合った新規事業創出の仕組みを構築することで、新規事業を量産できる高収益体制への転換を図っていただきたいのである。