運転を交代して後席に乗っても心地よさはそのまま。さすがに後方から入ってくる音は感じるが、乗り心地は悪くない。やはり強固な車体とサスペンションの絶妙なチューニングが、その快適さを実現している。
ここまで完成度の高いクロスオーバーSUVは
ちょっと心当たりがない
ハンドリングも気持ちがいい。まさしく意のままの走りを実現している。2ピニオン式の電動パワーステアリングは好印象。以前、別のスバル車では、テストコースではよかったのに公道で乗るとあまり印象がよくないケースがあった。クロストレックは公道でもいい。ステアリングフィールは、フリクションもイナーシャもなくスッキリ。中立からリニアに動いて接地感が高く直進安定性にも優れる。
クロストレックはグレードによってタイヤが異なる。リミテッドは18インチ、ツーリングは17インチ。それぞれオールシーズン仕様を装着している。サスペンションの設定は共通だが、タイヤの銘柄とサイズが異なるので乗り味は異なる。どちらもよい印象だが、舗装路を走るには、リミテッドのほうが静かで、走りの一体感も勝る。ハイトが薄くバネ下が重くなる分、乗り心地に多少は影響があるのではと思っていたのだが、路面の当たりの硬さもなくバタつきも気にならなかった。
クロストレックは、郊外や高速道路からちょっとした峠道まで、快適で気持ちよく走れた。このクラスでここまで完成度の高いクロスオーバーSUVは、ちょっと心当たりがない。従来のXVもなかなかよかったが、クロストレックは確実に進化している。丁寧に研鑽を続けるスバルには、恐れ入る思いである。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)