これにより、学生にとってのインターンシップ参加の目的は、「就業体験を通じて、自らの能力を見極める」ことと再定義され、企業が実施する目的やメリットは、「学生の評価材料の取得(採用広報活動や選考活動での使用)」となりました。

 1日以内で開催するイベントや説明会は、インターンシップとは称さずにタイプ(1)「オープン・カンパニー」となり、開催の目的は「個社や業界に対する情報提供・PR」となります。主に大学や、一部の企業がCSRの活動の一環として行ってきたキャリア開発プログラム等は、働くことへの理解を深めるための機会としてタイプ(2) 「キャリア教育」という名称になります。企業は、そこで取得した学生情報を採用活動に活用することはできません。この点が、インターンシップとの明確な違いだと言えます。

汎用的能力・専門活用型
インターンシップが求める要件とは

 ここから、「インターンシップ」と称して実施されるタイプ(3)「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」について、その要件を具体的に見ていきましょう。

※修士・博士課程を対象としたタイプ(4) 「高度専門型インターンシップ」は、今も試行・検討段階にあるため、本記事ではタイプ(3) 「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」について記します。

 タイプ(3) 「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」の必須条件は次の5点です。

1.就業体験要件:実施期間の半分を超える日数を職場での就業体験に充てること。

2.指導要件:職場の社員が学生を指導し、学生に対しフィードバックを行うこと。

3.実施期間要件:汎用的能力活用型は5日間以上。専門活用型は2週間以上とすること。

4.実施時期要件:学業との両立の観点から、夏休み、冬休み、入試休み、春休みなどの長期休暇期間に行うこと。

5.情報開示要件:プログラム概要や実施期間、就業体験内容などの情報を募集要件に記載すること。