スピードだけではなく、正確さも!

本書では、まず計算のスピードに注目したと話しましたが、当然、「計算の正確さ」も追求しなければ、読者の計算力の向上にはつながりません。そのため、この本で導入した方法のひとつが、スモールステップ形式(きめ細かい段階的な学習)です。

スモールステップ形式を導入したことにより、徐々に、かつ着実に「19×19までの暗算」がマスターできる、すなわち「計算の正確さも、確実に身につけられる一冊」になるよう制作しました。

ところで、「正確さ」とは、計算の正しさだけを意味するものではありません。解答用紙に書く数字を「正確に(丁寧に)書く」ということも当然求められます。

例えば、計算の途中式で数字を雑に書いたため、自分で読み違えて、結果的に間違った答えを導いてしまった、というような経験をお持ちではないでしょうか。

よく言われることですが、「綺麗に書く必要はない。丁寧に書けばよい」ということを徹底できていないケースが少なくないように思われます。

特に、数字を習い始めの小学生に対して、それぞれの先生方が口を酸っぱくして言われるのが、例えば、「0と6」「2と3」「1と4と7と9」などを書き間違えたり、読み間違えたりしないように丁寧に書こうということです。

いわば、本当の基礎中の基礎ですが、甘く見ることはできません。例えば、ビジネスシーンでも、雑に手書きされた請求書などを見て、数字が読み取りにくく、お困りになったことはありませんか。これもやはり、「(書く)スピード」と「(書く)正確さ」に関する話です。

計算力を上げたい。こう思っている方にとって、その原点である「スピード」と「正確さ」の大切さを再認識し、どちらを先に伸ばせばいいのか(それとも両方同時にか)、考えてみるのはいかがでしょうか。