岸田首相の政治の原点は
驚くべきことに「減税」だった
では、岸田首相の政治の「原点」とは何だろうか。国会の議事録で、国会での初めての発言を振り返ってみる。1993年11月9日(第128回国会 衆議院 大蔵委員会 第2号)のことだ。
冒頭で、岸田首相は「私は、広島一区から参りました岸田文雄と申します。先ほどの米田議員と同じく自由民主党初当選でございます。どうかよろしくお願いいたします」と述べた。初当選の初々しさが感じられる。この発言の中で、実に興味深い発言をしている。
「景気対策の目玉としまして大幅な所得税減税、これは必要である」
「所得税減税の財源を消費税の税率アップに求めることにますます疑問を感じる」
「消費拡大の目的のために所得税減税の財源を消費税税率アップに求めるのではなくして、財源の方は時限立法による国債の発行あるいは経費節減等の政府の自助努力あるいは景気回復時の税収アップ等々に求めるべきではないかというふうに思う」
驚くべきことに、岸田首相の政治の原点は「減税」だったのだ。さらには消費増税にも反対している。しかし、行く歳月とは残酷なもので、いつしか岸田青年は、政治家としての初心を忘れ、「消費税増税の成功体験を国民と分かち合おう」などとする増税主義者に変貌を遂げてしまったのである。
今では、増税をしたいのに国民に理解されず、無意味なバラマキだけは続ける羽目になった。低支持率男の悲しい末路だ。自分の人生を振り返って、首相になれたことでよしとするなら、さっさと退陣してほしいものだ。