お客様はロジカルに考えて買い物する訳ではない
第3章のターゲット編の時にもお話をしましたが、やはりお客様はマーケティングをする側が考えているほど、筋道立ててロジカルには考えて消費行動をしていません。
私のように、投資対効果を考えるとこのテレビはまだ高いな、などと理屈っぽく買う方々は少数派のようで、やはり心が動いたときに買おう!と思い行動するようです。
したがって、テレビショッピングもそのようにお客様の心が動く様子に合わせて、番組全体を構成して、お客様に買いやすい状況を創り出しています。
また、最初から「このテレビは10万円です!」と言ってしまうと、10万円よりも高いテレビを買いたい視聴者は、「もっと高いテレビが欲しい」と感じますし、もっと安いテレビを買おうと考えていた視聴者は「高すぎるな」と感じます。
どちらの視聴者もその段階で見るのをやめてしまい、最後まで番組を見ずにチャンネルを変えてしまいます。視聴者を逃さないために、値段を最初に明かさないのです。
この手法は単なるテクニックというよりも、お客様がどのように行動して最終的に買ってくださるのか?ということを考えるうえで、非常に役に立つ手法だと言えます。
私が在籍していたアマゾンの商品ページもそうですが、一番最初に目につく左側には本の表紙があり、一番右の方に価格と買い物カゴ=ショッピングカートがあります。これも同じことで、探していた本の詳細と値段を確認し、最終的に買い物カゴをクリックします。
つまり、アマゾンの買い物カゴとテレビショッピングのフリーダイヤルは同じことで、最終的にお客様が行動する鍵になります。これを、マーケティング用語でコール・トゥ・アクション=Call to Action (CTA)と言います。
通販のように、広告を見ている人から直接の反応で買い物をしてもらうマーケティングの仕組みを、ダイレクト・レスポンス・マーケティング=DRMと言います。
DRMでは、プロダクトの価格のすぐ近くにCTAを置くことが鉄則です。これによって、買ってもらう時のアクションやレスポンス率が大きく変わります。
テレビやネットに限らず、DMやチラシでも同じことなのでぜひ覚えておいてください。