意図的に情報を思い出そうとすることで、記憶の定着率が上がります。たとえば、1日の終わりに「今日勉強したことを、何も見ずに紙に書き出せるか?」チェックしてみるのもおすすめです。

 また数日たった後に、「前回学んだことを、次の勉強の前に軽くテストする」のも良いですね。

 このことを踏まえると、単語を覚えるときに、一度覚えた単語を「暗記リスト」から取り除くことはNG、だという理由もわかると思います。

 すでに覚えた単語だとしても、他の覚えていない単語と一緒に繰り返し学習する方が、記憶に定着しやすい。だったら、覚えたか否かにかかわらず、すべての単語の学習をくり返して、脳に刷り込んでおく方がよほど効果的です。

 確かに、間違えた単語だけをくり返し覚えれば、一時的には、効率的に記憶できるかもしれません。中学校の定期テストや小テストなどの一夜漬けでも何とかなる試験だったら、それでもいいかもしれません。でも、そうして繰り返しを経ずに覚えた情報はあくまで一時的な記憶です。

 記憶がすっかり抜け落ちた後に、もう一度覚えなおすのは大変非効率的です。どうせ覚えるのであれば、しっかりと定着させてしまった方が、最終的には効率的になります。

要約で「知識」の定着率が上がる

 記憶を定着させるためには、ただ暗記するだけではなく「アウトプット型」の復習をしてみるのも効果的です。

 その理由は、脳には、インプットしただけの情報よりも、アウトプットした情報を重要視するというクセがあるからです。

 学校教育でも取り入れられていますが、「問題集を解く」「確認テストをする」「学んだことを人に教えるつもりで話す」などの、アウトプット型の復習を取り入れると、人間の脳は情報を覚えやすくなります。

 とくにおすすめなのは、学んだ内容を「要約」してみることです。要約をするために必要なのは、勉強した内容の中から「重要なポイント」を見つけることです。つまり要約をするためには、「どこが重要で、どこがそうでないのか」という整理を、自分の頭で行う必要があるのです。