すると、学んだ内容を再度思い出しつつ、さらにポイントを押さえた上で頭に入れることができるわけです。

 もし「記憶に自信がない」と悩んでいるのであれば、勉強した内容を5行程度に要約してみると、その効果を実感できるかもしれません。

運動は、記憶力トレーニングにもなる

 記憶力を高めるためには、「体を動かしてみる」のもおすすめです。

 筑波大学とカリフォルニア大学アーバイン校の教授らが2018年に行った研究によれば、1日にわずか10分の軽い運動をするだけで、記憶力をアップさせる効果があると報告されています。

 それによると、ヨガや太極拳のようなかなり軽めの運動を10分間実施しただけで、脳の中で記憶を司っている海馬の動きを活性化させて、短期的な記憶力が向上したそうです。

 ただ机に向かって長時間勉強するよりも、ちょっとした運動を取り入れてみる方が効率良くなるなんて、おもしろいものですね。勉強に疲れたら、少し机から離れて、散歩やストレッチをしてみるといいでしょう。

 先ほどご紹介した「ポモドーロテクニック」と組み合わせてみれば、さらに効果的に記憶力を向上させることができるかもしれません。

岡 健作(おか・けんさく)
スタディーハッカー 代表取締役社長
1977年生まれ、福岡出身。同志社大学(文学部英文学科)在籍中から英語教育に関わる。大手学習塾の講師・教室長を経て、2010年に京都で恵学社(現:スタディーハッカー)を創業。“Study Smart”(学びをもっと合理的でクールなものに)をコンセプトに、第二言語習得研究(SLA:Second Language Acquisition)などの科学的な知見を実際的な学びの場に落とし込んだ予備校を立ち上げる。予備校で培った英語指導ノウハウを活かした社会人向けの英語のパーソナルジムENGLISH COMPANYを2015年に設立。その他、学びやスキルアップにまつわるアプリ開発なども行っている。著書に『TOEIC(R)テスト科学的攻略法』(秀和システム)『逆転合格を実現する 医学部受験×パーソナルトレーナ』(幻冬舎新書)などがある。

AERA dot.より転載