20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

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「勝ち就」「勝ち教」という学芸大ならではの支援者たち

 教育系の約6割、支援系の約1割が教員になる。教員採用試験を受ける学芸大生のうち、本採用されるのは5割程度という。落ちたら臨時採用や非常勤で働きながらの浪人生活だが、「ちゃんと勉強すればいつかは受かる」と学芸大の教員志望者は楽観的である。

 支援系は約7割が企業・団体への就職。教育系でも「教員に向かない」と自覚した学生は、一般企業就職へ転向する。また最近は、大学院へ進むケースも増えている。

 一般企業の場合、学校社会では威力を発揮する「学芸大卒」の肩書もイマイチだ。民間企業進出の歴史がまだ浅いため、OB・OG訪問でも一苦労。でも、「勝ち就」「勝ち教」と呼ばれる4年生による支援活動が頼りになる。

 企業の内定を獲得したり、教員採用試験に合格した4年生が、3年生に面接対策などのアドバイスを行っているのだ。これらを利用し、内定を勝ち取った学生が、翌年はアドバイスをする側に回るという、仲の良い学芸大生らしい就活対策である。「学生キャリア支援室」「学芸カフェテリア」では相談員が常駐し、就職支援を行っている。