「自分たちはダメな子」から
自分を「好き」になれたきっかけ
深海 気にしていなかったとはいえ、子供の頃はやっぱり、自分のことを「好き」とは言えなかった。周りから「あなたたちは普通じゃない」と言われて育ったから。何をするにも怒られて全否定されていたから。どこかで「自分たちはダメな子なんだ」と思っていたんですよね。でも、そんな私たちに周りの人たちが自信を与えてくれたんです。「面白いね」「楽しいね」「最高だね」、そして「そのままでいいんだよ」って。
広海 本当に感謝しかないよね。ぼくはせっかちだし、早口だし、しょっちゅう忘れ物をするし。いつもバタバタしているからか、海外に行っても人によっては「彼はADHDなのね」ってすぐにわかるみたいで。旅先で出会った人から何度かこんな言葉をかけてもらったことがあるんです。「あなたのそれは、とても素敵なギフトだよ」って。
深海 “ギフト”っていい言葉だね。
広海・深海 著
広海 これは欠陥ではなくて、神様がぼくに届けてくれた贈り物なのかもしれない。だから、いろいろな考えがあると思いますが、ぼくは病院から処方された薬を飲むのをやめたんです。これは、あくまでぼく個人の感覚なんですけど、薬を飲むと頭がボーッとして自分らしくなくなってしまう気がして。幼い頃に比べれば、だいぶ症状は落ち着いたものの、今も大変だなと思うことは多々ある。でも、これも自分の個性だし、ぼくは受け入れてます。
深海 とても素敵にまとめてはみたものの……。忘れ物が多かったり、指示された列に並べなかったり、部屋は常にグッチャグチャだし、本当に“大変なこと”も多いんですけどね(笑)。
広海 それに関してはここで改めて謝っておきます。みなさん、いつも本当にごめんなさい!!(笑)