こんなものは「数学」ではない?

 このような理由から、私は日ごろから「難しい数学はいらない」と申し上げています。「難しい」の解釈は人それぞれ違うでしょうけれど、高校の数学になると「難しい」と感じる方が多いようですから、だいたいのイメージは皆さん共通なのではないでしょうか。

 これまで私の連載をお読みいただいた皆さんはおわかりだと思いますが、私が使っている題材は算数レベルです。ゆえに、数学というものに熱い思いを持っている方から、「こんなのは数学ではない」という貴重なご意見を賜ることもあります。

 そうおっしゃる意図も理解できます。しかし理解したうえで、私はこう切り返します。

「数学」とは何かは、あなたが決めることではない

 いろんな数学があってもいいではありませんか。そんな器の小ささでどうするのでしょうか。その器の小ささが、現在の日本の数字教育の問題点なのではと私は思います。事実、多くの大人が数学嫌いであり、仕事でも使えていないわけですから。

これが、私の提唱する「ビジネス数学」です。ところで、あなたの「数学」はどんな数学なのでしょうか?

 ぜひ、そんな会話を他の数学の専門家の方々ともしたいものです。

1つ忘れていませんか?


 特に企業の経営者や人材育成担当の方に、お伝えしたいことがあります。ビジネスパーソンに必要なベーシックスキルはいくつかあります。

 ・読み書き(まあ、当然ですね)
 ・PCスキル(これも、もはや常識)
 ・コミュニケーションスキル(活躍できる人の共通点でしょう)
 ・英会話(昨今は、これも大切でしょうか)

 しかし、1つ忘れていませんか。いいえ、2つと訂正させていただきます。