「キリスト教系でおしゃれ」という“キャラかぶり”の青山学院大学と立教大学。両大学にダブル合格した場合の進学率では、2020年度までは立教大、それ以降は青山学院大に軍配が上がる。現代の若者は「何となく青学」を選ぶのだ。MARCHダブル合格者の進学率を分析するとともに、「何となく青学」の正体に迫る。(ルートマップマガジン社取締役・編集長 西田浩史、ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)
「何となく明治」に続く波
「立教よりも何となく青学」
まずはリンク先の「青学vs立教、W合格の勝敗表」の表をご覧いただきたい。「何となく明治」に続く波、「立教よりも何となく青学」現象が起きている。
「早慶」(早稲田大学、慶應義塾大学)に次ぐ首都圏の難関私立大学群「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)は、世代によって序列のイメージが異なる。現代の受験生の親世代が学生だった当時は、立教大がトップだった。しかし、現代の受験生にとってのトップは明治大。過去10年余り、「何となく」明治が選ばれるようになった。
明治大は今やMARCH内で頭一つ抜けた序列トップ。MARCHの中から二つの大学に合格した場合にどちらに進学するかという、大手予備校の東進ハイスクールが分析した「MARCHダブル(W)合格者の進学率」において、2023年度入試でも各大学との勝負で圧勝した。
では、明治に次ぐ2番手はどこか。
20年度まではW合格者の進学率で立教大が青山学院大に勝っていたが、21年度に逆転。青山学院大が2番手となった。立教大は23年度も僅差ながら再逆転を果たせなかった。
「キリスト教系でおしゃれ」という点で“キャラかぶり”しているだけに、互いに負けたくない相手だ。では、なぜ現代の受験生は立教大よりも青山学院大を選ぶのか。
その理由を尋ねると「何となく」「箱根駅伝に感動したし、何となく」。東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)での活躍は確かにすごいが、それだけのはずはない。
明治大が「何となく」選ばれるようになった裏には、都心に高層キャンパスを建て、時代に合った学部の新設により学部構成を再編するという、ハードとソフトの両面に大衆の心をつかむ仕掛けがあった。「何となく明治」に続く波、「何となく青学」の裏には何があるのか。