逆転の理由について「本命組、国公立大学と併願する学力優秀層から支持を得た」と、東進ハイスクールなどを運営するナガセの市村秀二常務執行役員は分析する。“量より質”への転換に成功したということだ。
地方での知名度は青学
箱根駅伝効果も
相模原キャンパスには理工学部など複数の学部がある。これらの学部は青山キャンパスにある文系学部のように立地を武器にできないが、入試改革により別の角度から支持を得た。全国に散らばる進学校の生徒から選ばれている理由としては、もう一つ、ブランド力を無視できないだろう。
「青山学院大は関西でも人気」と、進学塾の阪神進学アカデミーで代表を務める松田元気氏は言う。「おしゃれで洗練した都心の大学といえば、慶應義塾大と青山学院大。このうち青山学院大は頑張れば手が届きそうだからね」。
首都圏では立教大と青山学院大はどちらも知れ渡っている。しかし、ひとたび首都圏の外に出ると、知名度で青山学院大に分がある。芸能界の有名人などの出身校として知られ、中高を含めて“青学”のブランド力はかねて全国的なものとなっている。
立教大はこれを覆そうと地方でのPRなどに汗をかいてきた。しかし、箱根駅伝での青山学院大の活躍には、それを上回る宣伝効果があっただろう。立教大も箱根駅伝上位入賞を狙って強化中だ。
おしゃれ度トップのキャンパスライフ、“量より質”の入試改革、全国的なブランド力――。これが「何となく青学」の正体である。
では、青山学院大の優位性を脅かすものは何か。立教大はどんな逆襲シナリオを描くのか。ダイヤモンド・オンラインでは、MARCHにおけるW合格者の進学率について「学部別勝敗表」付きの詳細版、早慶・MARCH「進学校からの進学率」比較表を『若者が青山学院大を選ぶ理由「立教よりも何となく青学」の正体「MARCHダブル合格者の進学率【詳細版】」』で大公開し、「何となく青学」の正体をさらに深掘りしている。