もちろんあなたとその相手との関係性にもよりますが、前述の内容に当てはまる特徴があるとしたら、注意して接したほうがいいですね。

 ただし、気をつけるのは相手だけではありません。自分自身の、「ラクして儲けたい」という下心にも気をつけなくてはいけません。

「大きいお金が入ったら、○○円払いますから」という話が出てきたとき、次のように思ってしまったら危険です。

「今月はこれが入るだろうから、いまならお金は出せそうだな。いま助けておいたら、こちらが困ったときに助けてもらえるはず。こちらも安定したいしいいかもしれない」

 こういう話はたいていうまくいきません。でも、まだ自分の会社の資金が安定していないときには、つい欲や下心が出てきて、お金を出してしまうのです。

 人にお金を融通するときには、相手だけではなく、自分にも注意しましょう。詐欺とまではいかないものの、ギリギリのラインの話というのは、意外と身近にもあるものです。

「こういうお金が入るから貸しておいて」「いまこういうプロジェクトをやっているから、この部分だけ出資してほしい」

 こんなフレーズが相手から出てきたら、そのまま受け取らないほうが賢明です。

 ある経営者が、「何十億円儲かる」という話をされて、5000万円出してしまったことがありました。

 第三者の立場で話を聞くと、明らかに詐欺だとわかるのですが、本人は信じきって、疑いもせずにお金を出してしまいました。「ラクして儲けたい」という思いが、目を狂わせたのでしょう。

 決して他人事ではありません。自分のところにいつ話がくるかはわからないのです。相手を見極める目を持ち、自分の下心に注意したいものですね

大企業出身のキラキラ起業家が
掲げる夢物語には要注意

 もともと大企業にいて、起業家の経験もないままに資金調達している経営者は、もっとも危険です。