夢だけ語って、「わたしは大企業にいました」と言って、まわりに期待だけさせるのですが、このタイプの人は、大企業でどのような成果を出してきたのかを言いません。ただ大企業のネームバリューを利用しているだけなのです。
いざ話を聞いてみると、ただ大企業にいただけであり、お金の運用や資金繰り、経営者としての資金調達などの実務経験が何もないということも少なくありません。
そんな人が、うまくいくはずがありませんね。ネームバリューに惑わされず、冷静に見極める必要があります。
大企業のネームバリューを利用して起業する人たちの多くは、形から入ります。従業員をたくさん雇い、給料をとんでもなく高くして、事務所もいいところに構える。まだ経営の素人で、売上がまったくないのに、なぜか高額の給与をもらえる従業員を5人も10人も集めてしまいます。
以前、経営アドバイザーとしてセミナー講師をしている人がいました。見た目がキラキラしていたので、期待されてしまったのでしょう、スポンサーがお金を出すからという流れで、会社をつくったのです。
親会社との利害が一致したのかもしれませんが、簡単にぽんとお金を出してもらって社長になれてしまったために、調子に乗ってしまったようでした。
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大林誠一 著
形から入り、大きなことを言ってみんなを誘い、給料も高く設定し、事務所もいいところを借りた。そして大風呂敷を広げたものの、蓋を開けてみれば仕事がない、売上がないという状態になってしまったのです。
起業してお金を集めるのが間違っているわけではありません。ただ、集めたお金をどうやって運用していくのかをしっかりと考え、自分がお金を稼いで期待に応えるという気持ちを持って取り組まないと、いざお金がなくなったときに、「しょうがないよね」という言い訳の言葉で終わってしまいます。
そうなってしまうくらいなら、最初から出資を募っての起業はやめたほうがいいでしょう。こういったタイプの社長や会社に、引っかからないようにしたいものですね。