コロナ禍が落ち着いた今春から訪日外国人数は右肩上がりに増えている。その中で伸びているビジネスの一つが民泊。どのように運営しているのだろうか。AERA 2023年9月4日号より。
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インバウンド(訪日外国人旅行客)回復が鮮明になってきた。日本政府観光局が発表した今年7月の外国人観光客の数は約232万人となり、前月比12%増と大幅に増えた。さらに中国政府は8月10日に3年半続けてきた日本への団体旅行規制を解除した。これによって外国人観光客数がさらに伸びることは確実だ。
ホテルなどの宿泊施設の不足を背景に、注目を集めているのが、一戸建て住宅やマンションの部屋を活用して観光客らに宿泊場所を提供する「民泊」だ。
民泊というと、「闇民泊」をイメージする人も多いかもしれない。実際、かつては闇民泊の営業で騒音や衛生状態の悪化など地域住民とのトラブルに発展したケースも多かった。そのような状況を法的に整備するために作られたのが2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法」(民泊新法)だ。これにより、行政に届け出をしていない闇民泊は一掃され、逆に民泊新法に基づく物件数はぐんと増えた。
世界一周の旅にヒント
ところが20年から新型コロナウイルスが猛威をふるい、民泊業界は大打撃を受ける。激動の民泊業界を切り抜け、今まさにインバウンドの追い風を受けて稼いでいる人たちがいる。
X(旧ツイッター)で民泊情報を発信して注目を集めているぽんこつ鳩子さんは、フルタイム勤務の会社員でありながら18軒の民泊物件を運営し、年間2千万円超の売り上げを稼ぎ出しているという。