マンションについてのZEH制度は、2018年からスタートしました。住棟単位と住戸単位に分けて、次の4種類があります。
「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」
「Nearly ZEH-M(準ゼッチ・マンション)」
「ZEH-M Ready(ゼッチ・マンション・レディ)」
「ZEH-M Oriented(ゼッチ指向型マンション)」
それぞれ住棟単位と住戸単位で評価基準が定められています。
さまざまな投資のなかで不動産投資はとりわけ長期的な視点からの取り組みが前提になります。これから10年後、20年後の社会や経済の状況を想定したとき、不動産投資ではESGの視点がますます重要になっていくはずです。
不動産投資の対象となる建物には、戸建て/区分マンション/一棟マンション/一棟アパートといった種別のほか、木造/RC造/軽量鉄骨造といった建物の構造の違い、さらに新築/中古の違い、および築年数などの要素があります。
長期スパンで取り組むという点から考えると構造がまずポイントになります。結論からいえば、構造は耐久性の点でRC造、つまり鉄筋コンクリート造が有利です。
RCとはReinforced Concreteの略で、「鉄筋によって補強されたコンクリート」という意味です。鉄筋は引張力に優れている一方、錆びやすく火災などの高温に弱いという弱点があります。コンクリートは熱や圧縮力に強い半面、引張力に弱いという弱点もあります。
八尾浩之 著
RC造はこの鉄筋とコンクリートを併用することで、両者の弱点を相互に補い合い、変形しにくく高い耐久性を出す工法です。また、RC造は重量があるので基礎杭を強固な地盤まで打ちます。こうしたことから木造や軽量鉄骨造に比べて地震や火災、水害などに強いのです。ただし、構造に関係なく定期的なメンテナンスは欠かせません。
建物のもう一つのポイントが新築/中古の違い、および築年数です。新築と中古については基本的に新築が有利です。耐震性についていえば、1981年6月以降の新耐震であることは必須です。
さらに現在、省エネ性の基準が大きく変わろうとしています。新しい基準に合致していない建物は既存不適格とされ、耐震性(旧耐震)と同じように将来、市場価値が低下するリスクを忘れないようにしましょう。