突然ですが、読者の皆さんは「pH」を何と読みますか?これをどう読むかで、もしかすると世代がバレてしまうかもしれません。誰もが小学校の頃に習ったであろうこの「pH」。実は、身の回りのありとあらゆるものに関係しています。虫歯になるのも、こむら返りが起こるのも、そして地球温暖化が促進するのも「pH」が深く関わっているのです。理学博士で名古屋工業大学名誉教授の齋藤勝裕さんの新刊『それ全部pHのせい』(青春出版社刊)から、「pH」を知ることで見えてくるこの世界の真実や新たな側面について抜粋して紹介します。
世界は「酸」と「アルカリ」でできていた!
私たちは多くの物質に囲まれて生活していますが、すべての物質は酸、中性物質、アルカリに分けることができます。酸が示す性質を「酸性」、アルカリが示す性質を「アルカリ性」、中性物質が示す物質を「中性」と呼びます。そして、酸性、アルカリ性には強弱があり、強いものから弱いものまでいろいろありますが、pHはこの酸性、アルカリ性の強さを表す指標です。
小学校の理科の実験では、さまざまな溶液につけたリトマス試験紙の色が酸性では赤に、アルカリ性では青にというように変化するのを確かめたと思います。
ちなみに、以前はドイツ語の「ペーハー」と読むと習いましたが、現在では、国際単位系に合わせて英語の「ピーエイチ」と読むようになり、教科書にもそのように記載されるようになりました。