台風はなぜ日本にやってくるのか?
台風は、実は年中発生しています。日本への接近・上陸の大半は夏から秋で、その原因は太平洋高気圧です。
春や冬にも発生していますが、南の海上で吹く東風(偏東風)に流されるため、日本まではやってこないのです。一方、夏には太平洋高気圧の勢力が強まることで時計回りの流れができ、それに乗って台風は北上します。
秋には北上してきた台風が日本付近の上空を吹いている偏西風に乗ってカーブし、日本に沿って北東に進む進路をとるようになります。これが、台風が日本に接近する理由です。
また、上空に寒気を伴った低気圧(寒冷渦)があると、通常西から接近する台風が東からやってくることがあります。このような場合、通常の台風では大雨とならない地域でも大雨が発生するため、気をつける必要があります。
台風で警戒すべきこと
台風による災害は、大雨による水害だけではありません。
まず高波です。台風は「波にはじまり波に終わる」といわれます。主に強風によって波が高くなる「風浪」と、風浪が遠くまで伝わることによる「うねり」の二つが、台風によって引き起こされます。
「うねり」は台風が接近する数日前からやってきて、高波の影響は台風通過後も残ります。 竜巻も、特に台風の進行方向の右前方で発生しやすいことがわかっています。
二〇一九年の「令和元年東日本台風(台風第一九号)」では、大雨になる前にミニスーパーセル(背の低いスーパーセル)による竜巻が千葉県市原市で起こりました。
台風の中心に近い、台風の進行方向の右側では、特に風が強まります。台風は反時計回りの流れを伴っており、中心に近いほど風が強いという特徴を持っています。
また、台風は基本的に周囲の風に流されます。そのため、進行方向の右側では、台風自身の反時計回りの風と、台風を流している風が重なるため、特に強風になりやすいのです。