「有酸素運動をすると筋肉が落ちる」とよく言われますが、これは半分ホント、半分ウソです。なぜかと言うと、人間が活動するとき、まずは糖がエネルギー源として使用されます。血中の糖がまず消費されていくため、いきなり筋肉に影響が及ぶことはありません。また、このとき血中の脂質なども消費されていきます。

 しかし、こうした血中のエネルギー源は徐々に少なくなっていきます。そうすると、体の脂肪が分解されて血中に脂質が出てくる=脂肪が落ちるのですが、同時に筋肉が分解されて血中にアミノ酸が出てくる=筋肉も落ちるのです。体にとっては、血中にエネルギー源を送ることが最優先なので、生物の命が脅かされるエネルギー不足のときは、脂肪も筋肉も変わらないただの貯蔵庫だというわけです。

 つまり、より正確に言えば、「脂肪を落とす目的で有酸素運動をするなら筋肉も落ちる」ということになります。これを防ぐためにあらかじめBCCA(アミノ酸)を飲むという手もないことはないのですが、ガッツリ脂肪を落とそうとすれば、やはりある程度は筋肉も落ちてしまう、という覚悟が必要になるでしょう。そこで、まずは有酸素運動と食事制限で脂肪をなくしてから、筋トレで筋肉をつけていく、というのが、ムダのない順番になります。