米国の富裕層の間では、米国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっているイギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スイス・インド・チリ・台湾などへの国際分散投資法を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意をわかりやすく伝授する。

【お金を増やす】近い将来、日本の株式市場に導入されそうな“知っておきたい投資の話”photo:Adobe Stock

SPAC(特別買収目的会社)投資とは?

【前回】からの続き 富裕層が注目している投資先の1つに、米国市場で急増している前述のSPACがあります。

このSPACを活用すると、非上場企業が、創業直後でも株式市場に上場できるため、IPO(新規株式公開)と同じように活用されています。

米国以外でも、英国(ロンドン証券取引所)、ドイツ(フランクフルト証券取引所)、フランス(ユーロネクスト・パリ)、カナダ(トロント証券取引所)、韓国(韓国取引所)などでも、SPACの上場が可能です。

相次ぐSPACによるIPO

米国では2020年以降、SPACによるIPOが相次いでいます。

2021年のIPOは全体で前年比2倍となり、初めて1000社を超えました。

その背景には、株高傾向だったことに加えて、SPACの存在が大きいとされています。

近い将来、日本に導入されるかも

2021年のSPACの上場件数は合計613件、全IPOの63%を占めているなど、直近ではIPOの半数以上をSPACが占めています。

現在、日本市場でSPACは上場できませんが、政府の成長戦略実行計画では、スタートアップ企業の創出や成長を図る施策の1つとして、SPACが言及されています。

近い将来、日本市場でも導入されることになるかもしれません。【次回へ続く】

※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。