超ミニマル・ライフとは、「どうでもいいことに注ぐ労力・お金・時間を最小化して、あなたの可能性を最大化する」ための合理的な人生戦略のこと。四角大輔さんの新刊『超ミニマル・ライフ』では、「Live Small, Dream Big──贅沢やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資する」ための技法が書かれてあります。本書より、超ミニマル・ライフの3原則についてご紹介します。

「夢の実現なんて無理」と思い込む人に共通する思考習慣大草原に小さく建つ完全オフグリッドのタイニーハウスと著者

「Live Small, Dream Big──小さく生活し、夢は大きく」

「Live Small, Dream Big──小さく生活し、夢は大きく」
 これは、欧米のベストセラー『Tiny House』(※1)の副題で、こう解釈している。
「贅沢(ぜいたく)やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資する」

「Live Big, Dream Small──大きく生活し、夢は小さく」
 SmallとBigを入れ替えた場合の解釈はこうだ。
「見栄と物欲に時間・エネルギー・お金を浪費し、将来への投資や夢どころじゃない」

 あなたはどちらを望むだろうか。

 筆者は迷わず前者を選ぶ。実際に、50年以上そう生きてきた──日本では変わり者扱いされ苦しみながらも。そして、海外に長年暮らす筆者の眼には、日本の多くの人が後者の生き方に引き込まれているように見える。

「Live Small, Dream Small──小さく生活し、夢も小さく」
 貧しかった頃の日本、今の貧困国の選択肢はこれしかない。

 だが幸運にも、今の日本では自分の意思で自由に選ぶことができる。なのに多くの人が「Live Big, Dream Small」な人生に無自覚のうちに溺(おぼ)れてしまっている

 世界2位の経済大国まで昇りつめた後、「失われた30年」「経済停滞と低賃金」「グローバル競争力の低下」といった言葉と共に「日本は終わった」などと評されることが多い。

 本当にそうだろうか。

多くの人が決断せず、周りに流されるまま生きて「夢の実現なんて無理」と思い込んでいる

 経済規模は未だ世界3位で(※2)、全196ヶ国の中で日本はトップクラスに位置している。筆者が暮らすニュージーランドなんて50位だ。

 今の途上国や紛争国、昔の日本のような餓死リスクなんてないに等しく──世界的にも、歴史的にも──今の日本が、物質的に超豊かで格段に便利な国であることに誰も反論できないだろう。

 さらに治安が良くて清潔で、交通網や生活インフラが津々浦々にまで整備されている。人間の生存本能である「生理的欲求」も「安全欲求」も充分に満たされているはず(※3)。

 なのに、日本の幸福度は極度に低い(※4)。ただならぬ不安と焦りに駆られ、「渇望(かつぼう)症」なる病を患(わずら)っているかのようだ。

 多くの人が決断せず、周りに流されるまま「Live Big」に生きて「夢の実現なんて無理」と思い込んでいる。「選択肢があることに感謝すべき」とわかってはいるが情報と選択肢が多すぎて消耗し、逆に「選べない人生」を歩んでいる(※5)。

正しい対処法を誰も教えてくれない

 なぜか。

 まず、「その原因はあなたにはない」ということ。では「世の中が悪い」かというと、そうでもない。

 正しい対処法を誰も教えてくれない──問題はここにあるのだ。

 本連載では、まずその原因を明快に解き明かし、具体的な「対処法と技術=Method」を伝授していく。

「どうでもいいことに注ぐ労力・お金・時間を最小化して、あなたの可能性を最大化する」ための合理的な人生戦略

 超ミニマル・ライフとは──「守銭奴のような節約生活」や「禁欲的で質素な暮らし」のことじゃない。そもそも、そんな心が貧しくなる生き方には夢も希望もない。

 超ミニマル・ライフとは──「どうでもいいことに注ぐ労力・お金・時間を最小化して、あなたの可能性を最大化する」ための合理的な人生戦略のことである。

 つまり本連載は、「Live Small, Dream Big──贅沢やムダを省いて超効率化して得る、時間・エネルギー・資金を人生の夢に投資する」ための技法をまとめた戦略書なのである。

 年齢や性別、立場や収入に関係なく、どんな人でもすぐに簡単に実践できるよう、全てのノウハウを体系化した。