「値上げといっても、実際には適正価格に戻ったのだと考えています。値上げする自治体は悪だとか、水道料金が安い自治体に住みたいと感じる人もいるでしょう。ですが、水道料金を値上げして財源をきちんと確保している自治体は、水道管を計画的に更新するなど水道サービスの維持に努めているとも言えるんです」(奥田氏)
そもそも日本の水道料金(東京:200立方メートル当たり436.10ドル)は米国(ニューヨーク:同788.02ドル)や英国(ロンドン:同796.77ドル)と比較して約半額。そもそもの設定が随分と安いともいえる(出所:International Water Association「International Statistics for Water Services 2014」)。
とはいえ、ロシア・ウクライナ戦争による燃料価格の高騰で、一気に上がった電気料金の次は水道料金となると、生活の負担は増える一方だ。水道料金の値上げを少しでも食い止める方法はないのだろうか。
そこで水道管インフラの維持の現状を見てみると、あまりにも非効率な現状が明らかになった。どうすればその状況を打破し、日本の豊かな水を守ることができるのか。そのヒントを考えていきたい。
後編記事『水道管の交換が間に合わない!日本の水道危機を救う方法はあるのか?』に続く。