頭がごちゃごちゃして、うまくまとまらない」「何かとすぐ忘れてしまう」……。仕事や勉強をするなかで、そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
1000人以上の東大生のノートを分析してきた現役東大生の西岡壱誠氏によると、それらは「ノート」で解決できるといいます。
東大生は、「あとから見返す目的」でノートを取りません。ノートは、授業後に情報を整理し、理解するために取っています。そのような取り方をしているから、東あ大生は頭がよく、逆に言えばノートの取り方次第でだれでも頭がいい人になれるのです
本記事では、『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「成績が上がる子のメモの取り方」について話を聞きました。

東大生が教える「成績が上がる子、上がらない子」の決定的な違いPhoto: Adobe Stock

メモの取り方で伸びる子がわかる

僕は毎年、50校近い中学校・高校にお邪魔して、中高生に講演をしています。偏差値35から東大に合格した経験を活かして、まだ本格的に勉強を始める前の子たちに対して、「どうすれば成績が上がるのか」を共有しているのです。

そうやって生徒に対して話をしていると「あ、この子はこれからきっと、伸びるだろうな」という生徒を簡単に見抜くことができます。

その子がどんな風にメモを取っているのかを見ることで、その子のポテンシャルがわかるのです。

実際にあとから先生に話を聞くと、「たしかにあの生徒は成績が上がっている」と言われることが多いので、信憑性はあると思います。

成績が上がる子のメモの取り方

結論から先に言うと、成績が上がる生徒は、「顔をあげてこちらに視線を向けたままで、何かをメモしている生徒です。

メモも何も取らずにただじっと話を聞いている生徒は、残念ながら伸び悩むことが多いです。手を動かして情報を整理する習慣がないので、話を聞いてすぐのタイミングでは「なるほど! わかった!」と理解できていても、家に帰ってから「あれ? どんな話を聞いたんだっけ?」と忘れてしまう場合が多いです。

人の話を聞くときに、「手を動かす習慣がある」というのは、東大生に共通する習慣であり、頭をよくするときに最重要と言ってもいい習慣だと思います。

メモを取って何かを書きながら聞いているのとそうでないのとでは、頭への入り方が全然違うのです。

手を動かさずに頭の中だけで考えようとすると、頭がごちゃごちゃしたり、身体的に動きがなくて身体全体が強張ってしまい、頭の中が凝り固まってしまうことがあります。逆に、手を動かしながら考える習慣があると、思考が整理しやすく、頭にも情報が入ってきやすいです。メモを取るのは、とても重要なスキルなのです。

メモを取るときに重要なポイント

しかし、だからといって、メモを取ることに必死になって、視線がこっちに向いていない生徒も、残念ながらうまく行かないことが多いです。書くことに集中してしまっていて、あまりこちらの話を聞けていないということも少なくないのです。

人の話を解釈して、自分なりに咀嚼するのは家に帰ってからでもできます。その場で考えようとし過ぎてしまうと、話が入って来なくなってしまうのです。だからこそ、その場でやるべきは、あとから再現できるように話を聞くことです。

成績が上がるのは、話を聞きながら「自分が重要だと思った言葉」を書き留めている生徒です。人の話を聞きながら、何かを考えてメモを取るのは大変ですが、聞こえてきたワンフレーズの言葉や単語をメモすることは難しくはありません。

話を聞き終わったあとに、自分なりに重要だと思った単語・フレーズの羅列がメモに残っている生徒は、あとから家に帰ってもその話を再現することができます。

手を動かしつつ、その場では考え過ぎないように、メモを取ることに留めておくことができる人が、頭がよくなりやすいということですね。みなさんもぜひ、参考にしてみてください。