体脂肪(脂肪組織)を燃やすということの意味

――ところで体脂肪(脂肪組織)を燃やすとなると、エネルギー収支をマイナスにして、エネルギー不足の状態をつくる必要があります。

 食事摂取量を減らすことで、その状態にすることも可能でしょう。要するにどう考えたところで、何かを食べればエネルギーを摂取することになるのですから、紛らわしい表現には誤魔化されないようにしなければなりません。

「腹持ちのいい」食べ物を選ぶ

 しかし、ここでひとつ覚えておきたいことがあります。満腹感が長持ちし、栄養価に優れ、他と比べて低カロリーな食品というのが確かに存在するということ…を。そのような「腹持ちのいい」食べ物を摂ることで、身体をエネルギー不足の状態に近づけることができれば、体脂肪を減らす効果も期待できるというもの。言ってみれば「脂肪を燃焼させる食べ物」と、理論上は言えないこともありません。“あくまで理論上の話”ですが。

 さて、前置きをひと通り終えたところで、今度は「満腹感を得やすい」食品について考えてみたいと思います。そんな食品さえあれば、空腹を耐えて惨めな気持ちにならずに済むはずです。

満腹感を得やすい食べ物とは?

 満腹感を得やすい食品とは、つまり満腹指数(SI値=Satiety Index)の高い食品のことであり、食後の満腹感が長続きする食品を意味します。

 良質のタンパク質、繊維質、健康的な脂質を多く含む食材ということで、食欲を安定させるのに役立ち、それゆえ過食を防ぐ効果もあると言えるのです。

 果物や野菜類のように水分が豊富で、カロリーと質量のバランスが良い食材であれば、満腹感を長続きさせるのに望ましいでしょう。

満腹感を得にくい食べ物とは?

 満腹感を得にくい食品とは、すなわち満腹指数の低い食品ということになります。つまり、食後の満腹感は長続きしません。上質のタンパク質や食物繊維、健康的な脂質も十分に含まれていないものが多く、食欲が満たされず過食に陥りやすいことも特徴となります。

 例として、甘いスナック菓子、白パンや調理パンなどの生成炭水化物や、飽和脂肪酸の多い食品などが挙げられます。

 このような食品ばかりを選んでいると空腹感を覚えやすく、結局1日を通じてより多くのカロリーを摂取してしまうことにつながります。