写真:土に囲まれたコンサート会場土に囲まれたコンサート会場(筆者撮影)

151回目の「鉄道の日」となった10月14日は各地でさまざまなイベントが開催された。そんな中、JR東海は同日、建設中のリニア中央新幹線「(仮称)神奈川県新駅」の工事現場で「さがみはらリニアコンサート」を開催。本格着工から4年、新駅の建設はどこまで進んだのか。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

地下30メートルまで
掘削が完了

 151回目の「鉄道の日」となった10月14日は各地でさまざまなイベントが開催された。鉄道の日が土休日にあたるのは、くしくもコロナ前の2019年以来(当時の「体育の日」)。コロナ禍からの回復を反映して、鉄道開業150周年の節目となった昨年よりも盛り上がった印象だ。

 そんな中、JR東海は同日にリニア中央新幹線「(仮称)神奈川県新駅」の工事現場で「さがみはらリニアコンサート」を開催した。コンサートには同社の丹羽俊介社長が会長を務めるJR東海音楽クラブ、地元の県立相原高校吹奏楽部、県立相模原弥栄高校吹奏楽部に加え、JR東日本東京吹奏楽団やJR貨物音楽部が参加した。

 さらに別会場では相原高校のジャグリング部、相模原弥栄高校のダンス部のパフォーマンスが行われ、JR東海や工事を請け負う建設会社のイベントブースなども出展。地域住民など約2400人が訪れる大盛況となった。

 JR横浜線橋本駅に隣接する相原高校跡地に建設中の神奈川県新駅は、同校が移転した2019年11月の本格着工し、まもなく4年を迎える。2022年5月に行われた報道公開時は地下17メートルまで掘り下げていたが、1年4カ月が経過した現在は、既に地下30メートルまで掘削が完了している。

 今後はこの穴の中に駅を建設する段階に入るため、広々とした空間を見渡せるのは最後の機会となる。そこで、このロケーションを生かしたコンサートを開催することで、地域住民への理解促進を図ろうというのが今回の趣旨だったが、蓋を開けてみれば土の壁に挟まれた空間はホール並みの音響効果だったとか。