実現するか?多摩都市モノレール延伸
まさかのゼルビア「Z」ルート?
ここで、少しだけ夢のある話をしよう。あと10年待てば、町田GIONスタジアムが「都心に近い超・駅チカスタジアム」になるかもしれない。
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実は今、「多摩都市モノレール」(上北台駅~多摩センター駅、約16㎞)を、多摩センター駅から町田駅まで延伸させるプランが浮上している。すでに大まかなルートは決定しており、町田市内の都市計画道路は、中央部に橋げたを立てることが可能な道幅で建設されている。開通すればスタジアムのすぐ近くに駅ができることは確実であり、ゼルビアの試合を見に行くのに、格段にアクセスが良くなる。
なお、「小山田緑地の水脈を避ける」「スタジアムを経由」「桜美林学園や日大三高を経由」といった制約に基づいて経由地の選定を行った結果、奇しくもZ字形に曲がったルートとなった。もし開通すれば、きっと「ゼルビアライン」と呼ばれるだろう(ただし鉄道としては、極めて非効率な迂回=うかい=ルートでもある)。
ただし、建設には約1700億円もの事業費が必要で、かつ多摩都市モノレールや東京都にとっても、武蔵村山方面への延伸計画の方が優先順位は高く、石阪丈一・町田市長が目指す「32年度に延伸開業」は難しいかもしれない。また、チーム名に「トウキョウ」と入れようとして撤回したこともあるゼルビア藤田オーナーが、万が一、都心移転を打ち出してしまうと、絶大な旅客需要の見込みが一転して失われてしまう。
町田GIONスタジアムへのアクセスを劇的に変えるモノレール延伸を実現するためには、「さあ行けよゼルビア、俺たちの町田!」(チーム応援歌から)とばかりにホームゲームを盛り上げ、「ここに絶大な需要がありますよ!」とアピールし続ける必要があるだろう。
悲願のJ1昇格を成し遂げたゼルビアの戦略として、町田市や地元サポーターとの連携は欠かせない。何より、藤田オーナーの勝負勘が、J1というスポーツビジネスでどこまで発揮されるか。FC町田ゼルビアにますます注目したい。