また、リクルートマネジメントソリューションズが行った『新入社員意識調査2023』おいても、就職先での勤続意向について聞いた質問では、「現在の会社で勤め続けることにこだわらない・どちらかと言えばこだわらない」が57.4%を占め、「定年まで現在の会社で勤めたい・どちらかと言えば勤めたい」の33.2%を上回る結果となり、チャンスがあれば次の企業に動いていくという姿勢が見えています。

 就職みらい研究所では、2023年卒学生を対象に「就職活動振り返り調査」を実施し、「入社後の起業・副業・兼業の予定」を聞いています。すると、「入社後に副業・兼業を始めたい」(21.0%)という意向を含め、「起業、副業、兼業をしたい」と答えた学生は35.7%となり、前年の29.9%を上回りました。

 転職活動者、新入社員、就活を終えた大学生・大学院生と、それぞれへの調査結果からは、多様なキャリアの可能性や選択肢を広げたい」という共通した思いが数値に反映されていることが読み取れます。

過去11年のデータから紐解く
「働きたい組織の特徴」とは

 では、過去11年の推移には、若い世代の”働く価値観“の変化はどう表れているのでしょう。
就職みらい研究所では、大学生・大学院生の「働きたい組織の特徴」を、2014年~2024年卒まで経年で追っています。そこから、どのような傾向が読み取れるのでしょうか。

 調査では、さまざまな組織の特徴を示したうえで、AとBのどちらで働きたいかを選んでもらいました。

 まず、「A・どこの会社に行ってもある程度通用するような汎用的な能力が身につく」組織と、「B・その会社に属していてこそ役に立つ、企業独自の特殊な能力が身につく」組織のどちらで働きたいかを聞いたところ、Aを選んだ24年卒学生は26%、どちらかといえばAと回答した学生は51.9%となり、11年前から年々上昇傾向にあることがわかりました。この結果からも、新卒で入社した会社のみに固執するのではなく、転職も視野に入れてファーストキャリアを選ぼうという姿勢が垣間見えます