ほかに、「A・会社のもつノウハウや型を学ぶことで成長する」組織がいいか、「B・個人が試行錯誤を行うことで成長する」組織がいいかを選ぶ設問では、A・どちらかといえばAと回答した学生が合計で73.6%に。会社から積極的に学びを得て、自分のキャリアを考える人が増加傾向にあるといえるでしょう。

 また、「A・これまでの経験(学業など)を活かして成長できる」「B・これまでの経験(学業など)とは無関係に、ゼロから学べる」の2項目では、A・どちらかといえばAが増加傾向にあり、24年卒では、その合計が60.6%でした。すでに自身が持っているスキルを活かせる環境であり、かつそのスキルを伸ばせる職場環境を好む傾向が見て取れます。

 短期間でさまざまな仕事を経験するよりも、特定領域の仕事を長く担当したいという声も過去10年で年々高まっています。自分の強みとなる特定領域の仕事に取り組み、キャリアの軸にしたい、という思いもあるのかもしれません。

 成長志向が高まる一方で、「仕事はあくまでも人生の一部」「プライベートも充実させたい」という意向も顕著に見られます。

「A・仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」組織か、「B・仕事と私生活は区別なく、一体として働ける」組織か、という設問では、A・どちらかといえばAが圧倒的に多く、24年卒では、合計で88.4%になりました。働く場所に関しては、「A・特定の地域で働く」か、「B・全国や世界など、幅広い地域で働く」かという項目で、A・どちらかといえばAを選ぶ傾向が増加傾向にあります。特定の地域で働くことで、ワークライフバランスが取りやすかったり、変化によるストレスがかからなかったりする点で、働きやすい環境と捉えているのかもしれません。

「個の尊重」を重視し
「成長実感」を求める新入社員

 では、実際に働いている新入社員は、働きたい組織の特徴をどう考え、どんな働き方や仕事観を持っているのでしょう。再び、リクルートマネジメントソリューションズが行った『新入社員意識調査2023』を参考に、過去10年間の比較から変化を見ていきましょう。