「どのような特徴を持つ職場で働きたいか」を聞いた質問では、「お互いに助け合う」職場と答えた新入社員が66.4%でトップになっています。次いで、「お互いに個性を尊重する」が50.7%。この数値は10年前と比較して21.8ポイント上がり、過去最高となりました。

 一方、過去10年でポイントを下げているのは「活気がある」(-19.2ポイント)、「お互いに鍛え合う」(-13.4ポイント)、「皆が一つの目標を共有している」(-11.2ポイント)など。一見ポジティブに受け止められそうな要素ではありますが、“鍛える”という厳しさを感じさせる環境よりも、お互いに協力し合う働き方を求めているとも考えられます。

 また、組織のカラーに自分が合わせるようにして“一つの目標を共有”するよりも、個性を認めてもらい、自分の意向を大事にされながら働きたいという思いが背景にあるのかもしれません。

「働く上で大切にしたいことは何か」という質問では、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が48.5%でトップになり、過去10年間で9.4ポイント上がっています。仕事をする上で重視したいことのトップは「成長:自分が成長できる」ことで28.8%。次いで、「貢献:人や社会の役に立つ、感謝される」が26.7%でした。

「競争に勝つことは二の次」
という価値観の大変化

 一方、圧倒的に最下位なのは「競争:競争に勝つ、No.1になる」で2.4%。「競争で一番になる」などの外発的動機づけよりも、「自分の中で成長実感がある」など内発的動機づけをより重視しているといえるでしょう。

 また、個を尊重してほしいという意向は、上司との関係性にも影響しています。「上司に期待することは何か」を聞いた質問では、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」がトップで49.5%。「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」は過去最高の49.1%で、10年前から16.3ポイント上昇しています。一方、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」が17.5%で過去最低となり、厳しいフィードバックを苦手と感じる若い世代が多いことが読み取れます。