短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

先々のキャリアを意識しながら成長する【年代ごとステップアップ】の法則とは?

年代ごとに問われる
「4大スキル」の身につけ方

 年代ごとに身につけていかなければならないスキル、求められるスキルは変わってくる。

 若いうちに成果を出して有頂天になっていると、すぐに同僚や後輩に追い抜かれていく。

 よって、年代ごとに身につける4つのスキルをまとめておこう(▼図表21)。

【STEP1】業務スキル=実業務を行うスキル
【STEP2】チームマネジメントのスキル
【STEP3】未知問題の解決スキル
【STEP4】しくみをつくるスキル

【STEP1】
業務スキル=実業務を行うスキル

 職種にもよるが、大半の職種のほとんどの業務は通常3~5年でマスターできる。

 在籍5年の人と15年の人の成果貢献度に大きな差は生まれない。

 センスがいい人はすぐにできてしまうが、そこで満足してしまうとその後のスキルアップは望めない。

 よって実業務が得意なだけの人は、5年目以降は給料が上がらない。

【STEP2】チームマネジメントのスキル

 これは業務スキルをマスターした後、組織・チームを動かし、より大きな成果を出すスキル。

 自分がプレーヤーとして活躍するだけでなく、複数人で大きな仕事を行う業務管理をするために次のスキルを身につけよう。

・個人ではなくチーム全体の業務を適切に把握する
・わかりやすく他人に仕事を教える、育成する
・他人の業務を管理する
・他人のメンタルマネジメントを行う

 しかし、5年程度でマネジメントの基礎をマスターすると、それだけではその後大きく成長することはない。

【STEP3】未知問題の解決スキル

 これは未知の問題が起きたときに、自分でオリジナルの解決策を「編み出す」スキルである。

 経験したことがある問題は「経験値」で解決できる。

「経験値」が高い人は一見「問題解決スキル」が高く見えるが、経験のない未知問題になると、まったく対応できないこともある。

「経験値が高いので解決力が高い」のと、「未知問題の解決力が高い」のは別物だ。

 会社にとって未知問題が発生した場合、解決すべきとはわかっているものの、自分だけでは解決できないので上司に任せる人はまだまだだ。

 会社にとっての未知問題とは上司にとっても未知問題だ。

 未知問題の解決スキルとは、「経験」とは関係なく、「意識」が問われている。

 まず、「解決するまであきらめない」「誰かが解決しなければならないなら自分が解決してみよう」という当事者意識を持つ。

 反対に「これは不可能だ」「現実的ではない」「無理なものは無理」と思考停止すると一切成長が止まる。

「1時間集中すれば必ず答えが出る法則」(▼本書P225)を実行してほしい。

 他の人がやった場合、その問題が解決することがあるかもしれない。

 できた人はこの世の中で誰もいないか?

 そのやり方は特殊能力がないとできないか?

 と考えてみよう。

 これは「最終目的逆算思考」(▼本書P102)と同じだ。

【STEP4】しくみをつくるスキル

「1業務スキル」「2チームマネジメントのスキル」「3未知問題の解決スキル」を身につけたうえで、組織で問題解決できるしくみをつくろう。

 教育するのではなく、「問題が起きにくいしくみ」「問題が体系的に解決されるしくみ」を考え、「問題が問題でなくなる状態」をつくり、他の人がルーティンで解決できるしくみをつくる。

 これは経営者の仕事だ。

 このように求められていることが変われば、身につけるべきスキルも変わっていく。

 浅いスキルを身につけただけで満足せず、常に先を見て、ともにステップアップしていこう。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)