冬が近づき、受験シーズンになってきました。偏差値35から東大合格を果たし、現在は受験生の支援をしている現役東大生の西岡壱誠氏によると、合格のためには、「良い子である必要はない」と言います。
本記事では、1000人以上の東大生のノートを分析した結果をまとめた『「思考」が整う東大ノート。』の著者である西岡氏に「受験合格のための心構え」について話を聞きました。

東大生が語る「頭が悪い子」の方が合格しやすい本質的な理由Photo: Adobe Stock

合格するには、『良い子』である必要はない

冬が近づき、受験シーズンになってきていますね。この時期、いろんな学生たちが一生懸命勉強するようになっています。

そんな中で僕は今、逆転合格した東大生たちを集めた会社を経営しており、仲間と共に毎年何人もの受験生と向き合って、逆転合格の支援をしています。

受験シーズンで指導も佳境に入っていて、大変な日々を過ごしているのですが、そんな中でよく受験生に伝えることがあります。

それは、悪い子になれということです。合格したいのであれば、『良い子』である必要はないということをよく伝えるのです。

もちろん、他人を罵倒しろとか、法律に抵触するようなことをしろとか、そう言う意味ではありません。もっと人を頼っていいということです。

なりふり構っていたら、合格なんてできません。もし日本史の点数が不安なら、親に頭を下げて「ごめん、日本史の参考書を買ってもいい?」と聞いてみたり、先生に頭を下げて「先生ごめんなさい、日本史のこの部分を教えてくれませんか」と依頼するべきでしょう。

もっと言うなら、学校の先生から特別に講座を開いてもらったりとか、答案の添削を依頼したりとか、そういったことをお願いするべきかもしれません。

『良い子』だと、「周りの子もいるし、先生も仕事だし、そんなお願いをするなんてちょっと……」と考えてしまうことがあります。人との協調を考えて、相手の気持ちを考えて、「こんなお願いをしてしまうのは、『悪い行為』なんじゃないか」と考えて、他人に頼ろうとしなくなって、そして合格から遠ざかってしまうのです。

そういう意味では、『良い子』ではない方がいいんです。遠慮なんかせず、とにかく自分のことだけを考えて、周りの人を全員使ってでも合格をもぎ取ろうとする「必死さ」が必要なのです。

「エゴイストになれ」

「悪い子になれ」とは、「エゴイストになれ」ということと同義です。他人と協調したり、和を大事にすることはもちろん大事ですが、合格のためには時にその優しさを捨てる覚悟も必要なのだと思います。

今の学生は、昔よりも「必死さ」がないと思います。なんとしてでも合格したいとか、どんな手を使ってでも合格を掴み取りたいとか、そんな強い想いを持っている学生の数はとても少なくなっています。そしてそうすると、「良い子」のままで合格できれば、と思ってしまうのです。

必要なのは、「エゴイスト」になってでも合格しようとする覚悟です。受験生の人たちにはぜひ、悪い子になってでも、悔いの残らない受験をしてもらいたいものです。