枕選びでは顔の角度と首の高さをチェック

「いい睡眠」に効く、理想的な布団や枕の高さは?【スポーツトレーナーが解説】(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 次に枕です。低すぎると、あごが上がった状態になります。すると、寝ている間に首や肩の筋肉が緊張し、こりを招くことに。

 また、頭に血が上りやすくなり、むくみの原因にもなります。寝ている間に口が開き、いびきをかきやすくなる点も要注意です。いびきは眠りを妨げ、ひどい場合は無呼吸になって脳に酸素が行き渡らなくなります。すると、日中の過度な眠気などにつながります。

「いい睡眠」に効く、理想的な布団や枕の高さは?【スポーツトレーナーが解説】(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 高すぎる枕も、首が不自然に曲がった状態を助長します。そのため頸椎に負担がかかり、首や肩の筋肉の緊張を招きます。そんな枕を使い続けると、頸椎がまっすぐになるストレートネックの原因にもなります。

 これでは頭部の重力を分散できず、肩こりや首の疲れが慢性的に起こるようになります。また、首を深く曲げることは、気道が狭くなり息がしにくくなるため、高い枕もいびきの原因になりえます。

「いい睡眠」に効く、理想的な布団や枕の高さは?【スポーツトレーナーが解説】(イラスト/ひらのんさ なかざわとも)

 正しい姿勢を保つためには、寝たときに、額とあごを結んだ線が水平に対して5度ほど傾いた状態になる枕がいいでしょう。なおかつ、首部分の高さが1~6㎝になるもの。これが、自分に合う高さの条件とされます。かたさにもこだわりましょう。かたすぎると、枕とカラダのすき間が大きくなり、首と肩の重さを支えられず疲れやすくなります。やわらかすぎると、頭が沈み込むので理想的な高さになりません。

「いい睡眠」に効く、理想的な布団や枕の高さは?【スポーツトレーナーが解説】『運動習慣ゼロの人のための疲れない動けるからだをつくるテク』
清水 忍(監修)
定価1,430円
(朝日新聞出版)

(構成 生活・文化編集部 森 香織)

AERA dot.より転載