1. 反スパイ法
2. 中国データ3法(中国サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、個人情報保護法)
 さまざまなデータの越境移転を規制するほか、サイバーセキュリティ法には、中国に拠点を置くなどの企業に対し、自社システム内などで脆弱性を発見した場合に中国当局への報告を義務付ける内容も。そのため、脆弱性が公になる前に、中国当局が当該脆弱性を悪用する可能性がある。
3. 国家安全法
 国家への裏切り、分裂、反乱の扇動および政権転覆を図る行為、国家機密の窃取、漏洩などの国家の安全に危害を及ぼす行為、国外勢力による浸透・破壊・転覆・分裂活動を防止し、法によりそれを罰する(第15条)としており、施行時には当局が人権派弁護士や活動家らを一斉に拘束した。
4. 国家情報法 など

 そして、「渉外調査管理弁法」には注意しなければならない。

 中国当局は3月に米企業調査会社ミンツ・グループの北京事務所を捜索し、現地従業員を拘束した。北京市統計局はミンツ・グループが許可を得ないまま統計業務を行ったとして罰金を科した。同社が許可を申請・取得することなく「外国関連の統計調査」を行ったと指摘している。

 中国において、外国企業などの外資系企業が行う調査活動は、渉外調査管理弁法で規制されている。調査活動には市場調査と社会調査が含まれ、市場調査の実施は中国側との合弁・合作会社に限定されており、社会調査を外資企業が行うことは禁止されている。また同法違反に関し、犯罪を構成する場合には、刑事責任を追及される。法の不知で摘発される可能性は当然ありえるが、中国を取り巻く情勢次第では、調査内容を恣意(しい)的に捉えられる可能性もある。

 さらに、「国防動員法」も極めて重要だ。

 中国が有事と判断すれば、中国に進出している日本企業も含めて、中国のあらゆる組織の人的資本や金、アセットの徴用が行われ、戦時統制下に置かれることが可能となる法律だ。有事の定義は曖昧なため、台湾有事に限らず、南シナ海で偶発的な衝突が起きた際にも、中国が拡大解釈し“有事”と判断すれば、国防動員法が適用される可能性も“0”ではない。

 また、有事における予備役要員の招集も規定されており、発令された場合は、中国内だけではなく日本にいる中国人も動員の対象となる。

 その他、中国国家安全省は気象データの統制を強めるなど、さまざまなデータの流出や関連する調査の実施に神経をとがらせており、同省が発信する内容には敏感に反応するべきである。